創設のご挨拶

 (一社)日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構創設に際して

一般社団法人日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構 理事長
昭和大学医学部乳腺外科 教授     中村 清吾

 遺伝性乳癌卵巣癌症候群は、毎年新規に数千人もの患者が発生しているという、遺伝性疾患の中では例外的とも言えるほど極端に頻度の高い疾患です。同時に、原因遺伝子の解析が可能になってきた事と併せ、遺伝診療を組み合わせた早期発見、早期治療、または発症前の対応により、その抑制効果が期待される疾患でもあります。

 以上の疾患特性と患者さんの多さから、わが国に於ける遺伝性乳癌卵巣癌症候群に特化した総合診療体制の整備、医療供給が喫緊の課題となっておりました。

そこで、このたび、わが国における遺伝性乳癌卵巣癌症候群の診療体制の整備拡充を図るために、(一社)日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構を日本医学会「遺伝子・健康・社会」検討委員会の助言指導の下、3分科会(日本乳癌学会,日本産科婦人科学会,日本人類遺伝学会)が中心となって設立することになりました。

以下に、遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度の概要をお示しします。

  1. 本制度は、施設認定・教育研修・症例登録の3制度を中心に運営される。
  2. 認定施設は3つのカテゴリー、(1)遺伝性乳癌卵巣癌総合診療基幹施設(2)遺伝性乳癌卵巣癌総合診療連携施設(3)遺伝性乳癌卵巣癌総合診療協力施設により構成される。
  1. 本制度に基づく施設認定は、日本医学会「遺伝子・健康・社会」検討委員会の助言のもと、(一社)日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構により行われる。実務は、施設認定部会を設置し執り行う。
  2. 各施設認定は、それぞれの要件を満たす施設が、該当するカテゴリー毎に申請し、施設認定部会で審査を行う。合格した施設には、(一社)日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構が認定し、認定証が発行される。
  3. 認定は有期であり、期限迄に更新審査を受け手続きをとることで認定期間を延長出来る。6. 各認定施設の常勤専門医等は、機構が認定する講習会を受講することが必須要件である。
  4. 各認定施設は症例登録を行う。連携施設・協力施設からの情報は基幹施設へ集約し取りまとめ、機構へ報告する。

なお、2016年8月に上記社団法人が正式に発足し、今後は関連する各学会と連携を取りながら、日本におけるHBOC診療の充実及び、本領域における保険診療の確立を目指して活動していく所存です。 

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