トップに戻る
利用相反に関する規則・細則
利用相反に関する規則・細則

利益相反に関する規則

第1条(目的)

本法人の学術集会などで発表される研究においては、患者試料を用いた基礎研究、治療法の標準化のための臨床研究や、新規の医薬品・医療機器・技術を用いた臨床研究が多く、産学連携による研究・開発が行われる場合が少なくない。産学連携による基礎研究および臨床研究には、学術的・倫理的責任を果たすことによって得られる成果の社会への還元(公的利益)だけではなく、産学連携に伴い取得する金銭・地位・権利など(私的利益)が発生する場合がある。これら二つの利益が研究者個人の中に生じる状態を利益相反( Conflict of Interest COI )と呼ぶ。また、ガイドラインの策定など、本法人が行う事業により公的利益のみではなく、企業利益および私的利益が発生する場合もある。利益相反状態が深刻な場合は、研究の方法、デ-タの解析、結果の解釈が歪められるおそれが生じる。

本法人は、その活動において社会的責任と高度な倫理性が要求されていることに鑑み、「利益相反に関する規則」を策定する。その目的は、本法人が会員の利益相反状態を適切にマネージメントすることにより、研究成果の発表やそれらの普及・啓発、ガイドラインの策定を、中立性と公明性を維持した状態で適正に推進させ、遺伝性乳癌および卵巣癌の予防・診断・治療の進歩に貢献することにより社会的責務を果たすことにある。

本規則の核心は、本法人会員に対して利益相反についての基本的な考え的な考えを示し、本法人が行う事業を推進する場合、あるいは本法人が行う事業に参加し発表する場合、利益相反状態を適切に自己申告によって開示させることにある。本法人会員が、以下に定める規則を遵守することを求める。

第2条(組織・運営)

第1条の目的を達成するために,利益相反部会を設ける。

2.利益相反部会は臨床遺伝領域,乳癌領域,婦人科腫瘍領域の委員により構成する。

第3条(対象者)

利益相反状態が生じる可能性がある以下の対象者に対し、本規則が適用される。

(1) 本法人の会員

(2) 本法人の従業員

(3) 本法人で発表する者

(4) 本法人の理事会、部会、委員会、作業部会の構成員

(5) 本法人自体

第4条(対象となる活動)

本法人が関わるすべての事業における活動に対して、本規則を適用する。

(1) 本法人の学術集会の開催

(2) 関連書籍などの発行

(3) 研究および調査の実施

(4) 研究の奨励および研究業績の表彰

(5) 専門資格および認定施設の認定

(6) 生涯学習活動の推進

(7) 国際的な研究協力の推進

(8) その他目的を達成するために必要な事業

特に下記の活動を行う場合には、特段の規則遵守が求められる。

(1) 本法人が主催する学術集会、講演会、セミナーなどでの発表

(2) 本法人発刊の刊行物などでの発表

(3) 診療ガイドライン、マニュアルなどの策定

(4) 臨時に設置される調査部会、諮問部会などでの作業

(5) 企業や営利団体が主催・共催する講演会、ランチョンセミナー、イブニングセミナなどでの発表

第5条(開示・公開すべき事項)

対象者は、自身における以下の(1)~(11)の事項で、別に細則に定める基準を超える場合には、利益相反の状況を所定の様式に従い、自己申告によって正確な状況を開示する義務を負うものとする。また、役員(理事長、理事、監事、会長、次期会長)、各種部会部会長、各種ワーキンググループ委員長、編集委員、診療ガイドライン作成委員および診療ガイドライン策定に関わる参加者、学術委員、倫理委員、利益相反委員、教育委員、広報委員、およびこれらの委員会に属する小委員会・ワーキンググループ・タスクフォース等委員(以下、役員等)は、その配偶者、一親等以内の親族、または収入・財産を共有する者における以下の(1)~(3)(診療ガイドライン作成委員は(1)〜(4))の事項で、別に定める基準を超える場合には、その正確な状況を本法人に申告する義務を負うものとする。また、役員等は以下(12)の企業への所属歴および (13)~(15)の、申告者が所属する組織が有するCOI(所属する講座または部門の長が受け入れている研究費等)の事項で、別に定める基準を超える場合には、その正確な状況を本法人に申告する義務を負うものとする(組織COI)。なお、自己申告された内容については、申告者本人が責任を持つものとする。具体的な開示・公開方法は、対開方法は、対象活動に応じて別に細則に定める。

(1) 企業や営利を目的とした団体の役員、顧問職

(2) 株の保有

(3) 企業や営利を目的とした団体からの特許権使用料

(4) 企業や営利を目的とした団体から、会議の出席(発表)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)

(5) 企業や営利を目的とした団体がパンフレットなどの執筆に対して支払った原稿料

(6) 企業や営利を目的とした団体が提供する研究費

(7) 企業や営利を目的とした団体が提供する奨学(奨励)寄附金

(8) 訴訟等に際して企業や営利を目的とした団体から支払われる顧問料及び謝礼

(9) 企業や営利を目的とした団体からの研究員等の受け入れ

(10) 企業や営利を目的とした団体が提供する寄付講座

(11) その他の報酬(研究とは直接無関係な、旅行、贈答品など)

(12) 企業や営利を目的とした団体への所属および所属歴

(13) 申告者の所属する研究機関・部門に企業や営利を目的とした団体が提供する研究費

(14) 申告者の所属する研究機関・部門に企業や営利を目的とした団体が提供する寄附金

(15) 申告者の所属する研究機関・部門が保有する企業や営利を目的とした団体の株式、特許使用料、投資など

第6条(利益相反状態の回避)

1)すべての対象者が回避すべきこと

医学研究の結果の公表は、純粋に科学的な判断、あるいは公共の利益に基づいて行われるべきである。本法人会員は、研究の結果を会議・論文などで発表する、あるいは発表しないという決定や、医学系臨床研究の結果とその解釈といった本質的な発表内容について、その研究の資金提供者・企業の恣意的な意図に影響されてはならず、また影響を避けられないような契約を締結してはならない。

 

2)臨床研究の試験責任者が回避すべきこと

臨床研究(臨床試験、治験を含む)の計画・実施に決定権を持つ試験責任者(多施設共同研究における各施設の責任医師は該当しない)は、次の利益相反状態にないものが選出されるべきであり、また選出後もこれらの利益相反状態となることを回避すべきである。

(1) 当該臨床研究を依頼する企業の株の保有

(2) 当該臨床研究で使用する医薬品・医療機器等の知的財産権の保有

(3) 当該臨床研究を依頼する企業や営利を目的とした団体の役員、理事、顧問(無償の科学的な顧問は除く)

但し、(1)~(3)に該当する研究者であっても、当該臨床研究を計画・実行する上で必要不可欠の人材であり、かつ当該臨床研究が社会的に極めて重要な意義をもつような場合には、当該臨床研究の試験責任医師に就任することは可能とする。

第7条(実施方法)

1)会員の役割

会員は研究成果を学術集会等で発表する場合、当該研究実施に関わる利益相反状態を適切に開示する義務を負うものとする。開示については細則に従い所定の書式にて行う。本規則に反する事態が生じた場合には、利益相反部会にて審議し、理事会に上申する。

 

2)役員等の役割

本法人の役員等は本法人のすべての事業活動に対して重要な役割と責務を担っており、当該事業に関わる利益相反状況については、就任した時点で所定の書式に従い自己申告を行う義務を負うものとする。

学術集会長は、学術集会で研究成果が発表される場合、その実施が、本規則に沿ったものであることを検証し、本規則に反する演題については発表を差し止めることができる。この場合には、速やかに発表予定者に理由を付してその旨を通知する。なお、これらの対処については利益相反部会で審議し、答申に基づいて理事会で承認後実施する。

編集部会は、研究成果が本法人刊行物・関連出版物などで発表される場合に、その実施が、本規則に沿ったものであることを検証し,本規則に反する場合には掲載を差し止めることができる。この場合,速やかに当該論文投稿者に理由を付してその旨を通知する。当該論文の掲載後に本規則に反していたことが明らかになった場合は,当該刊行物などに編集部会長名でその由を公知することができる。なお,これらの対処については利益相反部会で審議の上,答申に基づいて理事会承認を得て実施する。

その他の部会長・委員は,それぞれが関与する事業に関して,その実施が,本規則に沿ったものであることを検証し,本規則に反する事態が生じた場合には,速やかに事態の改善策を検討する。なお,これらの対処については利益相反部会で審議し,答申に基づいて理事会承認を得て実施する。

 

3)本法人自体の役割

本法人に対して企業や営利を目的とした団体から経済的な支援がある場合、当該企業の企業事業(講演会、市民公開講座など)を開催する際の研究成果の発表および診療ガイドライン策定にあたって潜在的なCOI状態が発生し、倫理面での公平性、客観性、独立性が担保しにくい状況が生じることが想定される。したがって、本法人の長および本法人が行う学術集会の長は、企業や営利を目的とした団体から本法人および学術集会に支払われる額を適切に開示・公開しなければならない。

 

4)不服の申立

前記1)ないし2)号により改善の指示や差し止め処置を受けた者は,本法人に対し,不服申立をすることができる。本法人はこれを受理した場合,速やかに利益相反部会において再審議し,理事会の協議を経て,その結果を不服申立者に通知する。

第8条(規則違反者への措置と説明責任)

1) 規則違反者への措置

本法人理事会は、学会が別に定める細則により本規則に違反する行為に関して審議する権限を有し、審議の結果、重大な遵守不履行に該当すると判断した場合には、その遵守不履行の程度に応じて一定期間、次の措置をとることができる。

(1) 本法人が開催するすべての集会での発表の禁止

(2) 本法人の刊行物への論文掲載の禁止

(3) 本法人の学術集会の会長就任の禁止

(4) 本法人の理事会、部会、委員会、作業部会への参加の禁止

(5) 本法人会員の除名、あるいは会員になることの禁止

 

2) 不服の申立

被措置者は、本法人に対し、不服申し立てをすることができる。本法人がこれを受理したときは、利益相反部会において誠実に再審理を行い、理事会の協議を経て、その結果を被措置者に通知する。

 

3) 説明責任

本法人は、自ら関与する場にて発表された研究に、本規則の遵守に重大な違反があると判断断した場合、利益相反部会および理事会の協議を経て、社会への説明責任を果たす。

第9条(補則)

この規則は、理事会の議を経て変更することができる。

第10条(細則)

本事業を円滑に運用するため,規則を補完する実務上の取り決めを別途,細則に定める。

附則

1) この規則は、2020年11月25日より施行する。

2) この細則は、2021年11月16日から施行する。

3) 第8条に定める措置は、本規則施行後2年間は行わない。

利益相反に関する細則

第1条(目的)

この細則は一般社団法人日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(以下、「本法人」と略す)利益相反に関する規則の施行について必要な事項を定める。

第2条(委員)

規則第2条に定める利益相反部会の委員は,以下の構成とする。

部会長 1名

委員 日本医学会分科会である。日本人類遺伝学会、日本乳癌学会、日本産科婦人科学会の各々より若干名とする。

第3条(本法人学術集会などでの発表)

1.筆頭演者が開示する義務のある利益相反状態は、発表内容に関連する企業または営利を目的とする団体に関わるものに限定する。

2.本法人が関わる学術集会、シンポジウム、講演会及び市民公開講座などで発表・講演を行う者は、演題応募または抄録提出時に、過去3年間における筆頭演者の利益相反状態の有無を明らかにしなければならない。

3.発表時に明らかにする利益相反状態については、本規則「第5条(開示・公開すべき事項)」で定められたものを、発表・講演を行う者は発表スライド、あるいはポスターの最後に、「筆頭演者の利益相反自己申告書」(様式1)に従って開示するものとする。一方、企業や営利団体が主催・共催するセミナー、研究会あるいは講演会においては、座長・司会者もスライドあるいは別途プロジェクター等にて開示するなど適切に対応しなければならない。開示が必要なものは、抄録提出の前年、前前年、前前前年の各々につき1月1日~12月31日までのものとする。ただし、各々の開示すべき事項について、自己申告が必要な金額等を次のように定める。

(1)企業または営利を目的とした団体の役員、顧問職については、1つの企業または団体からの報酬額が年間100万円以上。

(2)株の所有については、1つの企業についての1年間の株による利益(配当、売却益の総和)が、100万円以上、あるいは当該企業の全株式の5%以上。

(3)企業または営利目的とした団体からの特許権使用料については、1つの特許権使用料が年間100万円以上。

(4)企業または営利を目的とした団体から、会議の出席(発表)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料、不定期開催のアドバイザリー会議等の報酬、など)については、1つの企業または団体からの年間の日当(実費分を除く)が合計50万円以上。

(5)企業または営利を目的とした団体がパンフレットなどの執筆に対して支払った原稿料については、1つの企業または団体からの年間の原稿料が合計50万円以上。

(6)企業または営利を目的とした団体が提供する研究費については、1つの企業・団体から、医学研究(受託研究費、共同研究費、臨床試験など)に対して、申告者が実質的に使途を決定し得る研究契約金で実際に割り当てられた総額が年間100万円以上。ただし、企業治験に関わるものは総額から除くものとする。

(7)企業または営利を目的とした団体が提供する奨学寄附金(奨励寄附金)については、1つの企業・組織や団体から、申告者が実質的に使途を決定し得る研究契約金で実際に割り当てられた総額が年間100万円以上。

(8)訴訟等に際して企業や営利を目的とした団体から支払われる顧問料及び謝礼。

(9)企業や営利を目的とした団体から研究者等を受け入れている場合は記載する。

(10)企業等が提供する寄付講座については、企業等からの寄付講座に所属している場合には、寄付講座名、寄付講座での職名(兼任・専任)を記載する。

(11)その他の報酬(研究とは直接無関係な旅行、贈答品など)については、1つの企業または団体から受けた報酬が年間5万円以上。

第4条(本法人関連書籍での発表)

本法人の関連書籍で発表を行うすべての著者は、投稿時に、投稿規定に定める「ICMJE Form for Disclosure of Potential Conflicts of Interest」(様式2)により、利益相反状態を明らかにしなければならない。

(1)この様式2の情報は、Conflict of Interest Statement としてまとめられ、論文末尾に印刷される。規定された利益相反状態がない場合は、同部分に、「The authors indicated no potential conflict of interest.」の文言を入れるものとする。

(2)投稿時に明らかにする利益相反状態については、本規則第5条で定められた項目を、様式2で自己申告するものとする。ただし、各々の開示すべき事項については、金額に関わらず報告する。

(3)開示が必要なものは様式2に基づき、投稿論文の企画から投稿時点までのもので、投稿論文に直接かかわるものは期間を問わず、それ以外のものは論文投稿時点からさかのぼって過去3年間のものとする。

第5条(役員等)

1.本法人の役員(理事長、理事、監事、会長、次期会長)、各種部会部会長、各種ワーキンググループ委員長、編集委員、診療ガイドライン作成委員および診療ガイドライン策定に関わる参加者、学術委員、倫理委員、利益相反委員、教育委員、広報委員、およびこれらの委員会に属する小委員会・ワーキンググループ・タスクフォース等委員(以下、役員等)が開示・公開する義務のある利益相反状態は、本法人が行う事業に関連する企業または営利を目的とする団体に関わるものに限定する。

 

2.役員等の開示基準。本法人の役員等は、新就任時と、就任後は1 年毎に「役員等の利益相反自己申告書」(様式3)を提出しなければならない。また、診療ガイドライン策定に関わる参加者は、新就任時と、就任後は1 年毎に「診療ガイドライン策定に関わる参加者の利益相反自己申告書」(様式4)を提出しなければならない。なお、役員等あるいは診療ガイドライン策定参加者として既に当該年の利益相反自己申告書を提出しているものは新就任時に新たに提出する必要はないものとする。開示すべき期間は直近の暦年の3年間分とする。在任中に新たな利益相反状態が発生した場合は、8週以内に様式3もしくは様式4によって報告しなければならない。なお、継続して役員等に着任し、前年に3年間分の開示を行っている者は、様式3もしくは様式4に直近の1年間分のみを追加で開示する。

1)開示・公開する利益相反状態については、本規則「第5条(開示・公開すべき事項)」で定められたものを自己申告するものとする。

2)各々の開示すべき事項について、自己申告が必要な金額等を表1に提示した通り定める。

 

3.一部役員の資格要件。診療ガイドライン策定参加者以外の役員等には、表1に提示した通り、以下の利益相反状態のない者を選任する。このうち、(1)役員、顧問職としての企業よりの報酬、(2)株の保有と株利益、および(3)特許権使用料については、参加者本人のみならず、その配偶者、1親等親族又は収入・財産的利益を共有する者が該当すれば、原則として参加させない。

(1)企業または営利を目的とした団体の役員、顧問職については、1つの企業または団体からの報酬額が年間500万円以上ある。

(2)株の保有については、1つの企業についての1年間の株による利益(配当、売却益の総和)が、500万円以上ある。

(3)企業または営利目的とした団体からの特許権使用料については、1つの特許権使用料が年間500万円以上ある。

(4)企業または営利を目的とした団体から、会議の出席(発表)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料、不定期開催のアドバイザリー会議等の報酬、など)については、1つの企業または団体からの年間の日当が合計500万円以上ある。

(5)企業または営利を目的とした団体がパンフレットなどの執筆に対して支払った原稿料については、1つの企業または団体からの年間の原稿料が合計500万円以上ある。

(6)企業または営利を目的とした団体が提供する研究費については、医学研究(受託研究費、共同研究費、臨床試験など)に対して、申告者が実質的に使途を決定し得る研究契約金として1つの企業・団体などから1名の研究代表者に支払われた総額が年間2,000万円以上ある。ただし、企業治験に関わるものは総額から除くものとする。

(7)企業または営利を目的とした団体が提供する奨学寄附金(奨励寄附金)については、申告者が実質的に使途を決定し得る寄附金として1つの企業・団体などから1名の研究代表者に支払われた総額が年間2,000万円以上ある。

(8)訴訟等に際して企業や営利を目的とした団体から支払われる顧問料及び謝礼が年間500万円以上ある。

(9)企業や営利を目的とした団体からの研究者等の受け入れは問わない。

(10)企業が提供する寄付講座に専任又は兼任で所属している。

(11)その他の報酬(研究とは直接無関係な旅行、贈答品など)については、1つの企業

または1つの団体などから受けた報酬が年間50万円以上ある。

(12)企業または営利を目的とした団体への所属および過去5年以内に所属した経歴の有無。

(13)申告者の所属する研究機関・部門(研究機関,病院,学部またはセンターなど、以下同様)に企業や営利を目的とした団体が提供する研究費が年間4,000万円以上ある(組織COI:申告者が所属研究機関・部門の長と過去3 年間に共同研究者,分担研究者の関係にあったか、現在ある場合、以下同様)。

(14)申告者の所属する研究機関・部門に企業や営利を目的とした団体が提供する寄附金が年間2,000万円以上ある(組織COI)。

(15)申告者の所属する研究機関・部門が保有する企業や営利を目的とした団体の株式、特許使用料、投資など。

 

4.診療ガイドライン策定参加者の資格要件。診療ガイドライン策定に従事する参加者については部会長、副部会長および委員ともに、表1に提示した基準額を超える場合は原則として参加させない。このうち、(1)役員、顧問職としての企業よりの報酬、(2)株の保有と株利益、(3)特許権使用料、および(10)寄付講座への所属については、参加者本人のみならず、その配偶者、1親等親族又は収入・財産的利益を共有する者が該当すれば、原則として参加させない。

診療ガイドライン作成部会長および副部会長としての参加資格は、表1資格要件の各項目の基準額をいずれも超えない場合、策定作業に参画し議決権を持つことができる。しかし,部会長の立場は診療ガイドライン策定への影響力が大きいことを考え,ある特定の企業・営利団体に対して開示基準額を超える項目が複数あり,当該の医療用医薬品などの推奨に大きく影響すると想定されれば,利害関係が少ない副部会長にその業務を適宜代行させるなどの措置を講じる。

診療ガイドライン作成部会委員としての参加資格は、表1資格要件の各項目の基準額をいずれも超えない場合、ガイドライン策定作業に参画し議決権を持つことができる。しかし,基準額を超える項目がある場合でも,診療ガイドラインを策定するうえで必要不可欠の人材であり,その判断と措置の公正性および透明性が明確に担保されるかぎり,その策定プロセスに参画させることができる.その場合,理事長は,診療ガイドライン策定にかかる最終決定権を持たせない等の措置を行い,社会に対する説明責任を果たすものとする。

理事長は,診療ガイドライン策定参加者が,策定期間中に上記資格要件を逸脱する項目が発生した場合には速やかに報告させ,適切に措置対応を行う。

 

5.資格要件の適応時期。役員等、診療ガイドライン作成部会長、副部会長および委員に対する委嘱は2021年以降のCOIについて表1の限度額を基準として可否を決定する。ガイドライン策定参加者は2020年以前についてもCOIが資格要件に抵触する場合は委員会への参加は可能であるが、議決には参加しないこととする。

第6条(役員等の利益相反自己申告書の取り扱い)

1.本細則に基づいて本法人に提出された様式3、様式4、及びそこに開示された利益相反

状態(利益相反情報)は、本法人事務局において、理事長を管理者とし、個人情報として厳重に保管・管理される。

2.利益相反情報は、本規則に定められた事項を処理するために、理事会、理事長及び利益相反部会が随時利用できるものとする。

3.前項の利用には、当該申告者の利益相反情報について、利益相反部会の決議並びに理事会の承認を得て当該利益相反情報のうち必要な範囲を、本法人内部に開示、あるいは社会へ公開する場合を含むものとする。

4.本法人が刊行する診療ガイドライン策定に関わる部会長は、個々のガイドライン策定(評価)を行う構成員を選抜するに際して、適切な人選のために当該部会委員の利益相反情報を利用することができるものとする。

5.本条第1項の様式3、様式4の保管期間は、役員等の任期終了後2年間とし、その後は理事長の監督下で廃棄される。ただし、その保管期間中に利益相反情報について疑義もしくは社会的・法的問題が生じた場合は、理事会の決議により、当該利益相反情報を記載した様式3、様式4の廃棄を保留できるものとする。

第7条(本法人自体のCOI)

本法人の長および本法人が行う学術集会の長は、企業や営利を目的とした団体から本法人および学術集会に支払われる額を、①研究助成(学術賞金,留学支援等),共同研究,受託事業,②寄附金,③学術集会等収入(企業関連のセミナー,シンポジウム等)について会計年度を単位としてそれぞれの総件数及び総額を企業ごとに項目立てした様式5にて一元管理し,組織COIとして本機構のホームページおよび学術集会のホームページと配布資料に開示・公開する。

申請ページから書式をダウンロードしてください。

第8条(規則違反者への措置)

本規則に違反した者への措置については、本規則VII「規則違反者への措置と説明責任」を適用する。

第9条(細則の変更)

この細則は,部会および理事会の議を経て変更することが出来る。

附則

1)この細則は、2020年11月25日から施行する。

2)この細則は、2021年11月16日から施行する。

表1. 役員等・診療ガイドライン策定参加者の開示基準額および資格要件

 

役員等 ※1
(診療ガイドライン委員以外)
診療ガイドライン委員
※2
開示基準額資格要件開示基準額委員長・副委員長
資格要件
委員
資格要件
自己申告様式様式3様式4
(1)役員、顧問職としての企業より報酬額100万円 ※3500万円 ※350万円 ※350万円 ※350万円 ※3
(2)株の保有と株利益100万円・5%以上 ※3500万円 ※350万円・5%以上 ※350万円 ※350万円 ※3
(3)特許権使用料100万円 ※3500万円 ※3100万円 ※3100万円 ※3100万円 ※3
(4)講演料・会議日当 ※450万円500万円50万円100万円200万円
(5)原稿料・執筆料50万円500万円50万円100万円200万円
(6)使途を決定し得る研究契約金100万円2000万円100万円1000万円2000万円
(7)使途を決定し得る奨学寄付金100万円2000万円100万円500万円1000万円
(8)訴訟等に際した顧問料及び謝礼あり500万円あり500万円500万円
(9)研究者等の受け入れありあり
(10)寄付講座への所属あり・職名専任・兼任不可あり・職名 ※3所属不可 ※3所属不可 ※3
(11)その他の報酬(贈答品など)5万円50万円5万円20万円50万円
(12)企業への所属および所属歴あり不可あり不可不可
(13)組織COI 受け入れ研究費1000万円4000万円1000万円2000万円4000万円
(14)組織COI 奨学金付与200万円2000万円200万円1000万円2000万円
(15)その他の組織COIありあり

※1:役員等に含まれるもの。役員(理事長、理事、監事、会長、次期会長)、各種部会部会長、各種ワーキンググループ委員長、一部委員(編集委員、診療ガイドライン作成委員および診療ガイドライン策定に関わる参加者、学術委員、倫理委員、利益相反委員、教育委員、広報委員)、上記委員会に属する小委員会・ワーキンググループ・タスクフォース等委員。

※2:診療ガイドライン作成部会、小部会、ワーキングチーム、タスクフォースを含む。

※3:申告者の配偶者、1親等の親族、または収入・財産を共有する者についても開示し、資格要件とする。

※4:アドバイザリー会議等を含む