解説

HBOCと診断された男性は乳がんや前立腺がん，膵がんなどの発症リスク（がんのなりやすさ）が一般の人よりも高くなると報告されています（Q2参照）。そのため，男性であっても遺伝学的検査でHBOCと診断を受け，専門医による定期的な診察や定期健診（サーベイランス）を受けることが勧められ，その情報をご自身の健康管理に活かすことができる可能性があります（図参照）。前立腺がんは，日本ではおよそ男性9人に1人が経験するといわれており患者さんの数が多いがんです。HBOCと診断された男性の場合，前立腺がんを発症するリスクがより高くなる傾向にあります。
親がHBOCと診断された場合，男女差なく子どもには2分の1の確率で受け継がれる可能性があります。HBOCを父親，母親のどちらから受け継ぐかによって，がんの発症リスクが変わるという報告はありません。ご自身がHBOCと診断されると子どもだけではなく，親やきょうだいについても2分の1の確率でHBOCの可能性があります（Q1参照）。