第1章 HBOCについて知っておきたい

Q16

遺伝学的検査や遺伝カウンセリングにかかる費用を教えてください。

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A

かかる費用はそれぞれの方の状況によって異なります。
 に示す一部の方に対するBRCA1/2遺伝子検査,およびBRCA1/2遺伝子検査を受けた場合の検査前後の遺伝カウンセリングが健康保険の適用となりました。
 がんと診断されたことのない方に対するBRCA1/2遺伝学的検査,遺伝カウンセリングは,2022年2月の時点ではすべて健康保険の適用外です。

解説

1費用について

健康保険が適用外の遺伝学的検査の費用は施設によって異なります。遺伝学的検査の費用は検査会社によって異なり,また,それぞれの施設で契約している検査会社が違うためです。以下に示すのはおよその費用となります。正確な費用に関しては各施設にお問い合わせください。

1BRCA1/2遺伝学的検査

(1)遺伝学的検査が健康保険の適用となる場合:に該当する方
・検査名:BRCA1/2遺伝子検査,20,200点
・3割負担:6万600円,2割負担:4万400円,1割負担:2万200円
(2)遺伝学的検査が健康保険の適用とならない場合:に該当せず,遺伝学的検査を希望される方,またはに該当するがBRCA1/2遺伝子検査以外の遺伝学的検査(多遺伝子パネル検査など)を希望される方
① 家系内ですでに診断がついている方がいる場合
・血縁者ですでにわかっている遺伝子の一部の領域のみを解析します。
・約2~7万円(検査会社によって異なります)
② 家系内で診断がついている方がいない場合
BRCA1/2遺伝子のすべての領域を解析します。
・約10~20万円(検査会社によって異なります)
③ 他の遺伝性腫瘍関連遺伝子も同時に調べる場合(多遺伝子パネル検査:Q8参照)
・約25~60万円(検査会社や調べる遺伝子の数によって異なります)

2遺伝カウンセリング

(1)遺伝カウンセリングが健康保険の適用となる場合:健康保険が適用となるBRCA1/2遺伝子検査を実施し,遺伝カウンセリングにて結果説明を受けた場合,遺伝カウンセリングの費用が加算されます。
・遺伝カウンセリング加算:1,000点
・3割負担:3,000円,2 割負担:2,000円,1 割負担:1,000円
(2)遺伝カウンセリングが健康保険の適用ではない場合:
・初診約5,000円~1万円(施設によって異なります)
・初診・再診で費用が変わる場合もあります。

2健康保険が適用となる場合,利用できる医療制度

健康保険が適用となるBRCA1/2遺伝子検査の費用は高額療養費制度こうがくりょうようひせいどの対象となります。ご自身が負担する金額(自己負担限度額)は年齢や所得によって異なるためご確認ください。健康保険が適用外の遺伝学的検査の検査費用は全額自己負担となり,高額療養費制度を利用することができないため,ご注意ください。高額療養費制度の詳細はQ58をご覧ください。