第2章 HBOCと診断されたら知っておきたい

Q28

HBOC と診断された後,今後の診療にかかる費用を教えてください。

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A

かかる費用はがんの病歴などの状況によって異なります(HBOCのサーベイランスの健康保険適用状況については保険適用一覧参照)。

解説

1HBOCのサーベイランスやリスク低減手術の費用(概算)

にそれぞれの検査,手術について,およその費用を掲載しました。
現段階では,BRCA1/2遺伝子の病的バリアントを保持し,乳がんまたは卵巣がん(卵管がん・腹膜がん)と診断された方以外の方は,HBOCのサーベイランスやリスク低減手術は健康保険の適用外です(2022 年2月現在)。ただし,検査の結果,所見が見つかった場合などは,その後のサーベイランスが健康保険の適用となる場合があります。
健康保険の適用外となる場合,サーベイランスの費用は,保険点数の10倍を目安に,その他の必要経費を加えて,各医療機関で任意の価格が設定されます。
なお,費用は医療機関によっても異なるため,正確な価格は各施設にお問い合わせください。

2使うことのできる医療制度

1高額療養費制度こうがくりょうようひせいどQ58参照)

健康保険が適用されたBRCA1/2遺伝子検査の費用は,高額療養費制度の対象となります。ご自身が負担する金額(自己負担限度額)は年齢や所得によって異なるためご確認ください。健康保険が適用外の遺伝学的検査の費用は全額自己負担となり,高額療養費制度を利用することができませんのでご注意ください。

2医療費控除いりょうひこうじょQ58参照)

HBOCと診断された方に対するリスク低減乳房切除術ていげんにゅうぼうせつじょじゅつ(RRM)またはリスク低減卵管卵巣摘出術ていげんらんかんらんそうてきしゅつじゅつ(RRSO)の費用は,どちらも医療費控除の対象として差し支えないとされています(健康保険が適用外のものも対象となります)。